- 直接入社試験に挑む
- 美術大学経由で挑む
- 専門学校経由で挑む
アニメ業界を目指すに至る道のりは人それぞれです。
子供の頃から絵が好きで描きまくっている人から、社会人になってから転職先として検討する人まで様々です。
背景美術の場合が前提の記事となりますが、アニメーター志望の場合でも当てはまる所はあると思いますので、考え方の一つとして参考になればと思います。
この記事の目次
ある程度絵が描ける人は、背景会社に直接応募する
- 子供の頃から絵が好きで技術もある人
- 作品のストックが沢山ある人
- 背景美術を目標にしており、そこに迷いの無い人
子供の頃から絵が好きで絵画教室に通っているような人が当てはまるかと思います。
背景美術の仕事を目標としていて技量が足りているのであれば、学校に進学する必要はありません。会社のウエブサイトの求人欄を参考に問い合わせる事をお勧めします。
独学で絵を描いていたという人の場合、自分の絵がどの程度のレベルなのか分からないという人も居るかと思います。そのような場合も求人に直接応募する事は、進路の取捨選択をする上でとても合理的です。
現場の人に判断してもらえる機会はなかなかあるものではありません。もし落選したとしても「まだ技量が足りていない」という事が分かるわけです。
応募資格は多くの会社が学歴不問となっており、入社前にアニメに関する基礎知識は基本的には必要ありません。
今ではそれぞれの会社がウエブサイトを持っている事が多いです。求人募集している会社もありますので、一般からの応募は容易になって来ています。
仮に落ちてしまったとしてもその後の進路の判断材料になるはずです。
運良く入社出来れば学校に通うための時間をスキップ出来ますし、学費も節約出来ます。
自分のポートフォリオを作る事が出来るという人は、求人への応募を検討すると良いと思います。
他の人に見せるための作品集のような物で、自分の作品を分かりやすく伝えるためにファイリングした物を指します。
20ポケット(40枚分)のクリアファイルが作品で埋まる程度の枚数があれば、枚数的には問題無いと思います。その他、スケッチブックなどを加えても良いでしょう。
デジタル作品のみの場合は、絵の種類別にフォルダ分けするなど最低限の整理がされていれば問題ありません。
まずは提出したポートフォリオで判断されます。それが通過出来た場合「試用期間」もしくは「研修期間」という名目で 2~3ヶ月の間、適正があるかの判断期間が設けられている事が多いです。
美大 or 専門学校出身者に限る会社もある
新卒の場合「美大」もしくは「専門学校」の卒業者に限定している会社もあります。
あくまでも自分の感覚ではありますが、正社員での採用だったり福利厚生がしっかりしている会社は、この辺のハードルが若干高く設定されているケースがあるように思います。
目指している会社が学歴に一定の制限をかけている場合、条件を満たすために進学をするか、他の美術会社から転職をするかの 2択になります。
美術大学から挑む
- 美術の研鑽は積んでいるけど、まだまだ学びを深めたい人
- 進路をまだ明確に決められていない人
美大に進学出来る時点である程度の素養が必要になりますが、学生という立場で切磋琢磨したいという人には進学先としては最有力候補です。
アニメ業界を目指すために美術大学を目指す人がどの程度の割合で居るのか分かりませんが、業界には美大出身者はそれなりに居ます。
美大に入学するには美術予備校や絵画教室を活用しないと難しいですが、入学出来れば個人では使う事が難しい機材を使えるなど、幅広い創作活動が可能となります。
また、美大には様々な目的をもった人が進学しますので良い刺激を受ける事もあるでしょう。
美術科 or デザイン科
私ならデザイン科を選びます。デザイン関係の知識は背景美術にも活用出来ますし、絵そのものの研鑽は自身でも可能だからです。特に美大に席を置いていれば、自主的に学ぶ事は容易かと思います。
絵の研鑽は、背景美術の仕事に就けば毎日する事になります。大学生のうちは絵に絞りすぎず広く学ぶ方が良いと個人的には思います。
進路先の融通が利く
また、美大の良い点として進路がアニメに制限されないという点があります。
- 背景美術から別の進路へ
- アニメ以外の進路から背景美術へ
特にデザイン科であれば就職の幅は広がります。このように専門学校とくらべて進路の融通がききやすいのが大学の良いところです。
専門学校から挑む
- 高校卒業後の進路希望で背景美術を目標にした人
- それまで絵に関して本格的に取り組んでいなかった人
- 社会人
業界内でも一番多いのが専門学校卒業生です。背景美術というのはかなり特殊な仕事ですので、進路として一番多いのだと思います。
本気の人のみ進学して欲しい
アニメ系の専門学校で学べる事は「アニメの会社に入社するための知識と技術のみ」です。
しかも、内容的にはとても薄い物です。専門学校で 1年かけて学ぶ事を、背景会社では 1ヶ月で学べます。それくらいの感覚だと思って下さい。
ですので、全くの初心者が授業に出て課題をこなすだけではプロにはなれないと思って下さい。あくまでも学校の課題はその足がかりであり、自分から自主的に創作活動が出来なければ、そもそもプロの現場に立つことは出来ないでしょう。
とはいえ、アニメの専門学校は業界に入るために必要な知識や技術を学べる場をとして貴重です。素質とやる気のある人を業界に繋げてくれる存在として、無くてはならない存在と言えます。
その場を活用し、自分から積極的に学び自主的に創作活動が出来る自信のある人は専門学校への進学を検討して良いと思います。
社会人からの入学
実は思ったよりも多く居るタイプです。
自分が在籍したクラスには 7~8人居ましたが、そのうちの 5人が背景会社との契約を決めていました。
社会人から進路変更しただけあって実力がある人が揃っていた事。今振り返ってみても、その人達の課題への取り組みはひと味違ったように感じます。
認可校と無認可校
アニメ関係の専門学校には認可校と無認可校がある事は知っておいて下さい。
無認可校は授業時間が短く、午前クラス・午後クラスと分かれているケースが多いです。また、学生とは認められないので学割は使う事が出来ず、学歴としても認められません。
一応補足ですが、無認可校が悪いというわけではありません。それだけ目的が明確であり絞り込んだ授業内容であるという事です。認可校として認められるには様々な規定をクリアする必要があります。
希望する学科があるのであれば認可校を選ぶ事をお勧めしますが、体験入学なども行われていると思いますので積極的に活用して最終的には本人の納得のもと決めるのが良いと思います。
専門学校を選ぶ上では無視出来ない要素なので、よく理解した上で選んで下さい。
年齢制限はあるのか?
新卒の場合、会社によっては儲けている事があります。
20代の人は全く気にする必要はありませんが、30代になると引っかかる可能性はあります。
経験者の場合は無いと考えて良いと思います。
しかし、あくまでも目安なので気になる会社があったらチェックしておきましょう。
まとめ
自分が経験して来た事や同業者からの情報をベースにまとめてみました。
背景美術という仕事はかなり特殊な仕事です。想像と違った…なんて事もあると思います。
オープンキャンパスや体験入学を活用するなどして、ご自身で情報収集しながら進路を検討する事をお勧めします。