所属している会社にも左右されるかと思いますが、会社勤めの場合は概ねこんな感じです。
実質労働時間
休み時間込みで 12時間程度です。例えば 11時に出社した場合、退社時間は 23時以降といった感じです。
早く仕事を終えれば早く帰れるんじゃね? と思われるかもしれませんが、基本的に仕事は尽きないため、会社勤めの場合残念ながらその考えは通用しません。
ただ、 アニメの背景描きの仕事は基本的に成果報酬型なので、仕事量をこなせるようになれば給料は上がります。
雇用形態
会社によってまちまちです。
私が以前席を置いていた背景会社は業務委託契約でした。
業務委託契約というものは一言で言えば「外部の人に業務を委託する契約」の事です。
そんな事もあり、社会保険 (医療保険・年金保険・雇用保険・労災保険・介護保険)などは一切入っておらず、労働基準法も適応外となります。実質はフリーランスやアルバイトに近いものがありました。
当然ですが、確定申告も自分で行う必要があります。
ちなみに給料は個々の能力を査定され決められていました。
もちろん正社員として雇い、しっかり社会保険も完備している会社もあります。
休日
アニメ背景業界の休日ですが、基本的に日曜のみという会社が多いです。残念ながら祝祭日が休みという会社はほとんど聞いた事がありません。
代わりに、その会社で独自に休日制度を設けている会社もあります。私の所属していた会社では、月に1日休日を自由に決められるという制度がありました。
ちなみに、ゴールデンウイークといった大型連休も基本的にはありません。
年末年始は個々の調整次第で 1週間以上の休みを取れるケースは多かったです。
泊まり込みについて
これは一切ありませんでした。
背景会社は時間の管理がかなりしっかりしており、実働時間を含め会社の方針に則った指導がされていました。
他の会社の人に聞いた限りでも、泊まり込みで作業をするというケースはかなり希なようです。
逆にアニメーターや制作が泊まり込むケースはあります。これについては、アニメーターの場合はそもそもフリーであり各々自由に動いているケースが多く、制作の場合はアニメーターをはじめ取引する人達に合わせなければいけないという理由があるからかと想われます。
食事
仕事のある平日は「弁当」or「外食」の二択になると想います。
昼休憩と夜休憩はそれぞれ1時間儲けられており、各自の判断で食事をしていました。
自分の場合は弁当を用意して仲間内と会話しながら食べるケースが多かったですね。あとはラーメンが好きなので近くの店に食べに行ったり、その辺は割と気分でした。あと年に数回ですが会社で食事会を開いてくれるケースもありました。
常に何か物を観察している
一番特徴があるのはコレなんじゃないかなと思います。しかも、恐らく一般人からみれば気にも止めないような物を観察します。
特に普段あまり行かない場所や地域に行った場合は観察力が上がります。個人的に自然と目に行くのは「建物の天井」や「電柱」「マンホール」などですね。
これは物作りをしている人達全般に言える事だと思いますが、自分は背景に関わる仕事をしているので、やはりそういう部分に目が行きます。
例えば新宿に出た際、複雑なビルを見つけると「描きにくそうだなぁ…」と思うわけです。
締め切りには厳しい
そもそも「締め切りを破る」という概念がありません。
アニメ製作の工程において、背景はかなり後半部分の作業という事もあって、背景会社にレイアウトが回ってくる時には既に時間の猶予が全く無いというケースが多いです。
背景が締め切りを破ると作品が落ちるかもしれない、というレベルのケースも珍しくないので背景の仕事をしている人であれば、締め切りを破るという概念がありません。
まず締め切りというゴールがあり、そこから割り出された時間から出来る事を逆算します。